論文紹介
震災後、多忙のため更新がなかなか出来ず、コラムをご覧の皆様には深くお詫びいたします。
今回は、私が読んだ頚部痛に関する研究論文をご紹介させていただきます。この研究結果は、私たちカイロプラクティック治療家として臨床と結 びつけて考えると大変面白い論文です。
Elevated [11C]-D-Deprenyl Uptake in Chronic Whiplash Associated Disorder Suggests Persistent Musculoskeletal Inflammation
(慢性むち打ち症関連障害による筋骨格炎症患者の [11C]-D-Deprenyl 集積上昇)
PLoS One. 2011; 6(4): e19182
要旨
慢性筋骨格性疼痛に対する構造イメージング法はいくつか存在するが、その病理的要因を検出することは困難である。特に、むち打ち症関連症状における継続的頚部症状の病理的要因の解明は困難である。本研究では、11C-deprenylを用いたPETによる頚部炎症プロセスを検討する。22人のむち打ち症患者(Whiplash Associated Disorder grade II)と14人の健常被験者(コントロール群)における比較検討を行った。解析結果、むち打ち症患者における頚部、特にC2棘突起周囲でトレーサー吸収の上昇がみられた。この結果により、むち打ち症患者における継続的局所炎症が示唆され、今後、ひとつの診断要因となる可能性を考える。本研究により、末梢疼痛プロセスがPETにより可視化され、11C-deprenylはそのトレーサーとして有効であることが示唆された。
というものでした。考察すると、私たちの頚部痛患者施術時に多くみられるC2サブラクセーションの存在と何か関係があるような気がします。
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