論文紹介「繊維筋痛症」

我々カイロプラクターは、痛みを持つ患者を診ることが多くその原因は様々である。その原因の一つが今回紹介する繊維筋痛症である。

線維筋痛症の痛みは激しく、3カ月以上も続くため、病気の程度によっては寝床から起き上がることができないケースもある。また、疲労感やうつ病などの精神症状、痛みによる不眠、ドライマウスなど、痛みのほかにもさまざまな症状を伴う。

線維筋痛症は、なぜ発症するのか。その原因は、いまだ不明のままとなっている。

線維筋痛症の患者さんは、日本国内に200万人以上いると推定されている。この病気の特徴として挙げられるのが、患者さんの多くを女性が占めているということ。日本では、女性が男性の4.8倍だと言われている。ただし、欧米では女性が8~9倍だといわれているため、それと比べれば男性の割合は多い。この欧米との違いがなぜ生じているのかについても、現在のところ理由は不明のままとなっている。

私たちカイロプラクターがこのような患者に遭遇する機会は少ないが、全くゼロではない。実際、私自身ごく少数ではあるが、繊維筋痛症患者を経験している。このような患者は、専門医(リウマチ科)に紹介することが最もふさわしいと思われるので、安易に手技治療を継続しないことを勧める。

Arthritis Research & Therapy 2012, 14:R236 doi:10.1186/ar4079


Noninvasive optical characterization of muscle blood flow, oxygenation, and metabolism in women with fibromyalgia

(線維筋痛症女性患者における筋の血流、酸化、及び代謝の非侵襲的な光学的分類)


Yu Shang1, Katelyn Gurley1, Brock Symons2, Douglas Long3, Ratchakrit Srikuea3,4, Leslie J Crofford5


Charlotte A Peterson3, and Guoqiang Yu1

1 Center for Biomedical Engineering, University of Kentucky, Lexington, KY 40506, USA.


2 Department of Gerontology, College of Public Health, University of Kentucky, Lexington, KY 40536, USA.

3 College of Health Sciences, University of Kentucky, Lexington, KY 40536, USA.


4 Department of Physiology, Faculty of Science, Mahidol University, Bangkok 10400, Thailand


5 Department of Internal Medicine, College of Medicine, University of Kentucky, Lexington, KY40536, USA.


Abstract
Introduction: 線維筋痛症(FM)女性患者は、筋血流及び代謝異常と関連すると思われる筋疲労の増大、運動耐性の低下の症状を有する。本研究は、Near-infrared diffuse optical spectroscopyを使用し、閉経後女性のFM患者と健常者における下肢運動疲労時、腕帯による上肢虚血時の筋血流、血液の酸化、酸素代謝を評価した。

Methods: 14人の女性FM患者と23人の健常女性被験者が参加した。疲労性運動プロトコールとして、12回6セット、膝関節伸筋20~70%の自動筋収縮(徐々に強度を増大する)を実施した。上肢虚血は、上腕部圧迫帯3分間使用による前腕部動脈血流阻害を実施した。実験実施中、相対的血流(rBF)、酸化‐脱酸化ヘモグロビン([HbO2]and [Hb])量、総ヘモグロビン量(THC)、血中酸素飽和量(StO2)を含む下肢または上肢の血行動態を独自で制作したhybrid diffuse optical instrumentを使用し、継続的にモニターした。(hybrid diffuse optical instrumentとは、組織酸化計測のための近赤外線酸素計測器と独自にデザインしたdiffuse correlation spectroscopy; DCS流量計とを一体化させたもの)相対的酸素抽出比(rOEF)と酸素消費率(rVO2)を血流計測と酸化データより算出した。運動、虚血後の血行動態回復をrecovery half-time(プロトコール終了時から血行動態がhalf-maximal valueとなるまでの時間)により分類した。

Results: FM患者の運動中及び動脈虚血中における血行動態と代謝反応/回復は健常者と類似するものであった。しかし、FM患者における運動中組織rOEFは健常者と比較し有意に低下していた。また、運動後、虚血後half-times of oxygenation recovery (Δ[HbO2] and Δ[Hb])は健常者との比較で有意に遅延していた。


Conclusions: 本研究結果によりFM患者における筋の酸素利用変化が示唆された。本研究により、combined diffuse optical spectroscopy (i.e., NIRS/DCS)の骨格筋組織内酸素及び流動の包括的評価に対する有用性が示唆された。


カイロプラクティックドクター小倉のカイロコラム

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